005

SQ-1

楽器を鳴らす順番そのものを、指先で演奏する。SQ-1は、二列に並ぶノブとボタンで音の流れを組み立てるステップ・シーケンサーだ。2015年に登場し、坂巻 匡彦はプロダクトマネジメント、商品企画、プロダクトデザインを担当。シンセサイザーへ音程や発音の指示を送り、短い反復を、触れるたびに姿を変えるフレーズへ育てていく。

基本はA・B各8ステップの二つの列。順番につなげて16ステップにしたり、並列に走らせて別々のパラメーターを動かしたり、ランダムに進めたりできる。ノブで値を変え、ボタンで鳴らす位置を選ぶと、同じ音色にも違う表情が現れる。小さな操作面を見渡しながら、何を繰り返し、どこを崩すかを耳で探っていく。

接続先はひとつの世代に閉じていない。CV/GATE、MIDI、USB MIDI、SYNC、littleBits OUTを備え、古いアナログ機器から小型シンセ、パソコンまでをつなぐ。V/OctとHz/Vの両方式に対応するCV出力は、MS-20 miniの制御にも対応する。機器ごとに異なる音程の扱いや発音の合図を設定し、手元のシーケンスを別の楽器の動きへ変換できる。

アクティブ・ステップとステップ・ジャンプは、打ち込んだ順番を演奏中に動かすための機能だ。特定のステップを飛ばすとループの拍の並びが変わり、押したステップへ移れば反復の流れに割り込める。スライドで音程を滑らかにつなぐこともできる。完成したパターンを再生するだけでなく、進み方をその場で組み替える道具になっている。

幅193mmの板金製ボディと、単3形電池2本またはUSB給電は、複数の機器を並べた机にも持ち出す演奏にもなじむ構成だ。シーケンサー停止中には、USBで受けたMIDIをCV/GATEへ変換する使い方もでき、パソコンのシーケンスとアナログ楽器を結ぶ役目も担う。接続する楽器と操作する手のあいだに置く、小さな制御盤。ノブの位置と光るボタンが、音楽の時間を触れられる形にする。