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volca sample

小さな録音素材を並べ、反復の中で別の表情を見つける。初代volca sampleは、最大100個のサンプルを扱うシーケンサーだ。坂巻は商品企画を担当。短い音の断片をノブで編集し、鍵盤状の操作面へ配置する。素材の選択とビートの組み立てが、同じ本体で続いていく。

モーション・シーケンスはノブの変化を記憶し、スウィングや逆再生、再生ステップの抜き差しがフレーズを揺らす。アナログ・アイソレーターとリバーブで全体の響きも調整できる。同じサンプルでも、鳴らす順序や時間、音の輪郭によって、異なるビートへ組み替えられる。

ACTIVE STEPとSTEP JUMPは、すでに入力したパターンの進み方へ介入する機能だ。鳴らす音を増やさなくても、一部のステップを抜いたり、再生位置を移したりするだけで、反復の受け取り方は変わる。音の内容を編集するノブと、時間の並びを変える操作を組み合わせることで、小さな素材から展開を生める。一定の長さのループを用意しておき、その場の手の動きで揺らすという演奏の方法である。

音源を本体へ渡す方法にも、この楽器の開かれ方が見える。転送用SDKの公開は、メーカーのアプリ以外にも素材を準備する手段を作れるということだ。一方、本体側では電池とスピーカーで、受け取った音をすぐに鳴らせる。素材を集める場所と演奏する場所を分けつつ、二つをつなぐ経路は外部へ開いている。ここで扱うのは最大100サンプルの初代モデルであり、後のvolca sample2とは区別される設計である。

専用iOSアプリから素材を転送する仕組みに加え、独自の転送ツールを作るためのSDKも公開された。音を集める環境と、指で鳴らす小型機をつなぐ入口である。電池と内蔵スピーカーで動くため、取り込んだ素材を机の外でも試しながら、フレーズへ育てていける。

出典・関連資料

KORG:volca sample 製品情報 ↗