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volca bass

ベースの面白さは、音程の列と、音が移る瞬間の両方にある。volca bassは、3つのオシレーターを備える小型アナログ・シンセサイザーだ。坂巻は商品企画を担当。3基を重ねることも、それぞれのフレーズを組み合わせることもでき、低音の厚みと動きへ異なる角度から触れられる。

アナログ・フィルターが音の輪郭を変え、ノブを動かすと同じフレーズの聴こえ方が変わる。開発者インタビューでは、3基の発振器やフィルターとともに、小型の空間へ回路を収める構成が説明されている。音を作る部分と手を動かす面が、机に置けるサイズへ集約された。

オシレーターごとにフレーズを持たせる構成では、三つの音を厚く重ねるだけでなく、その動きの関係を考えられる。ひとつの音列を中心に置き、別の音列を組み合わせれば、短いパターンの中でも重なり方が変わる。発振器の数は、音の太さのためだけの仕様ではない。音程を分担させる対象としても扱えることが、小さなベース・シンセサイザーの中へ、複数の声部を考える余地を作っている。

スライドとステップの省略は、音符と音符の間へ手を入れるための操作だ。高さが連続的に移ると、同じ音程の並びにも別の抑揚が付く。再生するステップの長さが変われば、ほかのリズムと重なる位置も違ってくる。ノブで変える音の輪郭に、そうした時間の操作が加わることで、入力済みのパターンを演奏中の素材として扱える。低音の役割を固定せず、反復を聴きながら厚み、音程、拍の関係を探ることができる一台だ。

ELECTRIBEの操作を受け継ぐシーケンサーは、音程をつなぐスライドとActive Stepに対応する。ステップを省けば、音符をすべて打ち直さなくてもフレーズの拍感が変わる。電池と内蔵スピーカーで動き、鳴っている音を聴きながら次の操作を決められる。ベースを弾くことと、組み替えることが近い。

出典・関連資料

KORG:volca bass 製品情報 ↗