Ver.3.01
坂巻 匡彦が「sakamaki tadahiko」名義で楽曲を提供した、2003年のコンピレーションCD『ver.3.01』。参加曲は、全13曲のちょうど中央に置かれた7曲目「lp」だ。asa、珠洲、eskm、38recordingsらとともに、ヒップホップとブレイクビーツを軸とする一枚に加わった。異なるつくり手の曲が並ぶなかに、自分の音楽を届ける試みである。
「lp」は、原型を得てから約1年半をかけて育てた楽曲。2003年9月の発売告知には、長く大切にしてきた曲をCDとして送り出す喜びと、仕上がりへの自信がつづられている。アイデアを一度のひらめきで終わらせず、時間をかけて作品へと育てる。その制作の時間も、短い曲名の背後にある。クレジットは活動名のlimmaやplstkではなく、小文字の本名表記となっている。
発売元はopium rec.。eskmと珠洲が2003年に設立したレーベルから、同年11月12日にリリースされた。販売元はuniversal music k.k/ims、品番はOPIUM-1。制作の拠点となるレーベルと流通を担う会社を通じて、つくり手の曲をCDとして店頭へ運ぶ。発売情報にも、2003年11月12日という日付が刻まれている。
収録曲には、asa feat. arkの「flamed up」とasaの「word」、珠洲の「za-za」「666」、eskmの「beatcruise」「essentia」などが並ぶ。「lp」の前後は、38recordingsの「death-ko」とadapted(a.k.a sein)の「rhodes」。一曲ずつの作品をつなぐ曲順のなかで、坂巻のトラックが位置を占めている。
同時期の坂巻は、Max/MSPで自作したリアルタイムサンプリングシステムを使う即興ライブにも取り組んでいた。演奏の場で音を取り込み、加工する活動と、時間をかけて仕上げた曲を録音作品として発表する活動。『ver.3.01』への参加は、その音楽制作を一枚のCDに刻んだ実績である。