Tokyo Art Jungle — Max/MSPライブ
東京国際フォーラムの各所が、展示とパフォーマンスの舞台になった。2002年8月のTOKYO ART JUNGLEは、開館5周年を記念する実験的なアートイベント。坂巻 匡彦は8月14〜15日に、Max/MSPを使ったライブ演奏を行った。
Max/MSPは、画面上で処理の部品をつなぎ、音の生成や加工の仕組みを組み立てるためのソフトウェア環境だ。MSPの音声処理を使えば、コンピューターの内部に自分の楽器を設計できる。既存の楽器を操作することと、演奏のための仕組みを自作することが隣り合う。
会場全体の企画には、地上広場のビニールプールに足をつけてライブを楽しむ試みや、来場者がホールAの舞台に上がって照明と音響を体感する企画もあった。ホールEにはスケートボードの空間をつくり、18の作品やプログラムを展開。展示を見る場所、舞台で演じる場所、街を歩く場所の境界を、複合施設の中で組み替える催しだった。
その環境に持ち込んだ演奏道具が、プログラムを組んで使うMax/MSPである。ソフトウェアでは、音を入力し、加工し、出力する経路を自分で決められる。既製の機能の選択に加え、機能同士の関係までをつくり手が扱う方法だ。8月14〜15日の出演では、プログラムを演奏の道具にする音楽実践を披露した。施設が新しい使われ方を探る企画の中で、坂巻も自分の演奏方法を公開の場へ持ち出した。
主催者の記録では、イベント全体に約5万5000人が来場したとされる。会期は3日間、ホールCを除く全館が会場だった。その多様な催しの一つとして、坂巻はソフトウェアを使う演奏を行った。電子楽器の商品企画に携わる以前から、音をつくるための技術を自分で扱い、公開の場で使ってみるという実践が続いていた。