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monotron

Best 100 2013 GOOD DESIGN Best 100

五つのノブを回し、リボンへ触れると、アナログ回路の変化が音になる。monotronは、手のひらサイズのシンセサイザーだ。坂巻は商品企画を担当。電池と内蔵スピーカーで動き、音づくりを試すまでに必要な機器を小さな本体へまとめた。少数の操作子が、音程や揺れ、響きの輪郭へ直接つながっている。

MS-10/MS-20に由来するフィルターは、内蔵音源だけでなく外部入力にも使える。リボンの連続した音程とLFOの揺れを合わせ、自分で鳴らす音も外から来る音も変えられる。開発者インタビューでは、価格を抑え、機能を絞ることでアナログの音へ触れる機会を広げた経緯が語られた。

五つのノブに絞った操作面では、ひとつ動かした時の変化を聴き取りやすい。音程を変える、周期的に揺らす、フィルターで成分を選ぶという働きが、メニューを開かずに手の届く場所へ並ぶ。専門用語をすべて理解してから触るのではなく、まず音が変わる経験から、何が起きているかを知っていける。リボンは音程を連続的に移すため、鍵盤の運指とは別の手掛かりで音を探れる。小ささは、その実験を始める条件の一部になっている。

外部音をフィルターへ通す機能を使うと、よく知る曲や別の楽器の音が変わる様子も確かめられる。本体だけで発音する場合とは、同じノブでも聴き比べる材料が異なる。一台で複数の入口を用意することは、使う人の知識や興味の違いを受け止める方法でもある。回路図を読むところへ進む人も、音を出して楽しみ続ける人も、出発点には同じ小さな本体がある。仕組みをどこまで知るかを、メーカーが一つの深さに固定しなかった点も、この企画を特徴付けている。

さらに回路図の公開は、操作面の先へ進みたい使い手へ情報を開いた。坂巻は、利用者の要望を受けて公開を社内へ提案したと説明する。ノブを回すところから、回路を調べて改造するところまで、関わり方の深さを選べる。小さな楽器は、メーカーと使い手が音を介して関わる入口にもなった。