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microKORG XL

音楽のジャンルから音色へ入る、大きな二つのセレクター。microKORG XLは、音を選ぶ分かりやすさと、細かく作り込む音源を備えた小型シンセサイザーだ。坂巻は商品企画を担当。当時のインタビューでは、初代microKORGを置き換えるのではなく、異なるビンテージ感を持つ兄弟機として考えたと説明している。

MMT音源の2つのオシレーターやフィルター、バーチャル・パッチが音づくりを担う。アナログ・モデリングに加え、エレクトリック・ピアノやクラビネットなどのPCM波形も扱える。プリセットを弾いてから、その響きを構成する部分へ進む入口が用意されている。

ジャンルと音色カテゴリーのセレクターは、回路の名前より音楽のイメージから音へ近づく入口だ。最初から発振器や変調の関係を設定しなくても、使いたい場面に近い音を選んで弾ける。その後で音源のパラメーターへ進めば、気に入った音のどこを変えたいかという具体的な目的を持てる。プリセットを利用する段階と自分で音を作る段階を、別の使い手のための機能に分けず、一人の探索の連続として扱える構成である。

ボコーダーと付属マイクは、鍵盤の外にもうひとつの演奏入力を置く。声の特徴が合成音へ反映されることで、音程を弾く手と、発音する口が同じ響きに関わる。電池で動く小さな楽器にその二つがそろうと、声を使った音づくりも、スタジオの配線を整えてから始める特別な作業ではなくなる。PCMの鍵盤楽器音からボコーダーまでを含め、どんな音を使うかに応じて弾き方や入力方法を選べる点が、microKORG XLの幅になっている。

16バンドのボコーダーは、入力した声の特徴を音へ反映する。付属マイクと電池駆動により、鍵盤だけでなく声も使う演奏を、固定したスタジオの外へ持ち出せる。小さな鍵盤、音色を選ぶ操作、歌声を取り込む回路が同居し、弾くことから音を変えることへ移りやすい楽器にまとまっている。