microSAMPLER
録音した音を、すぐに鍵盤から鳴らす。microSAMPLERは、サンプリングと演奏の操作を近づけた小型キーボードだ。坂巻は商品企画を担当。取り込んだ音を鍵盤へ割り当て、素材を選ぶ手つきを、そのままフレーズを弾く手つきへつなげる。声や楽器の短い断片が、鍵盤で扱える音へ変わる。
5つのサンプリング方式には、Loop、One Shot、Gateに加え、押している間を録るKey Gate、連続する音を鍵盤へ振り分けるAuto Nextがある。録り終えてから整理するだけでなく、録音の段階で使い道に合わせた方法を選べる。切り出したい時間と、並べたい音の関係が操作に結び付く。
Key GateとAuto Nextは、鍵盤を録音後の再生装置だけにしない。押している時間を録る方法なら、どこからどこまでを素材にするかを身体の動きで選べる。次々と録音を鍵盤へ割り振る方法なら、取り込む時点から複数の音を並べられる。録音の開始と終了、素材の整理、演奏への割り当てという工程を、別々の画面に切り離さない。その近さが、音を見つけた直後に弾いてみるための条件となっている。
パターン・シーケンサーへの重ね録りでは、最初に割り当てた音を演奏し、その反復を聴きながら別の音を加えられる。サンプル単体を整えるだけでは気付かなかった組み合わせを、フレーズの中で確かめる方法だ。エフェクトで質感を変えると、録音の由来を残す音も、新しい楽器のように聞こえる音も作れる。PC用エディターとの転送は、その試行で使う素材を管理するための経路になる。録る時の判断から演奏の組み立てまでを、鍵盤を中心に連続させたサンプラーだ。
重ね録りできるパターン・シーケンサーとエフェクトで、演奏を記録しながら音を整える。PC用エディターを介したUSB転送はWAV/AIFFに対応し、サンプルの管理にも使える。外から音を持ち込み、鍵盤で組み立て、必要に応じてPCへ渡す。録音素材を弾く楽器として、制作の行き来を一台へまとめている。