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Maker Conference Tokyo「Make:カルチャーと楽器/音楽表現」

楽器を自分でつくる文化と、楽器を商品として届ける仕事は、どこで接続するのか。2012年6月2日のMaker Conference Tokyoでは、DIY MUSICのセッションがその問いを扱った。会場は日本科学未来館で、坂巻はKORGの商品企画担当として登壇した。

同じ枠にはThe Breadboard Band、高橋達也、武田元彦、菅野創が並ぶ。主催者の企画説明は、自作楽器、オープンソースハードウェア、デジタルファブリケーションと、ビジネスとしての楽器開発との関係を議題に挙げている。立場が違う人々を、音楽の話題へ集める構成だった。

2012年の企画資料に挙げられた題目は、機材を使う話から、その機材がつくられる条件へと広がっている。自作楽器では、自分の表現に必要な操作や音を、自分の判断で形にできる。一方、商品として届ける楽器には、使う人の幅や、継続して製作することも関わる。両者の目的や制約の違いを、同じ音楽という対象を通して話せる点が、このセッションの特徴だった。

設計情報を共有するハードウェアや、データから材料を加工する技術は、つくる人が使える道具を増やす。ただし、道具が増えることだけで、どんな楽器が生まれるかは決まらない。何を面白いと感じ、どんな身体の動きを音へ結びつけたいかという、つくり手の判断が要る。企業の企画担当、回路を扱う開発者、表現活動を行う参加者が並ぶ構成は、その判断の違いを考えるためのものだ。音の仕組みと音楽表現を、制作の現場から捉える議論の場になった。

オープンソースハードウェアは、設計を公開し、他者による理解や改変を可能にする考え方だ。音を奏でるだけでなく、音を出す仕組みそのものに手を加える。その行為が表現の一部になると、楽器の完成という区切りも動き出す。自作と商品化には、共通する問いと異なる条件がある。DIYと商用開発を同じ議論に置いたプログラムは、音楽を入口にその境界を開いていた。