AW 03

Red Dot Award: Product Design

音の変化を目で見ながら、手でアナログ回路を操る。minilogueは、2017年のRed Dot Award: Product Designを受賞した。審査評は、アナログの音づくりにデジタル技術を組み合わせた構成を取り上げている。

4音の和音演奏、音色の保存、16ステップのシーケンサーを、一つの楽器にまとめた。有機EL画面のオシロスコープは、音の変化を波形として表示する。ノブを動かす操作、音を聴くこと、波形を見ることが、音づくりの中で接続する。手でつくった音を保存し、呼び出して使うこともできる。

37鍵の本体は、アルミのフロントパネルと木製のリアパネルを備える。4つのボイスは和音に使うだけでなく、重ねて太い音にするなど、モードによって働きを変えられる。限られた数の音をどのように組み合わせるかを切り替えることで、一台の楽器に複数の演奏の性格を持たせている。構成を把握しやすい操作面も、その使い分けを支える。

シーケンサーには、音符に加えて操作の動きを記録するモーション・シーケンスがある。鍵盤を弾くことだけに演奏を限定せず、繰り返すフレーズへ音色の変化を加えられる仕組みだ。MIDIに加えて同期用の端子を備え、volcaやelectribeなどとテンポを合わせる使い方も想定する。単独で音を探り、保存し、フレーズをつくり、ほかの機材との演奏へ持ち出す。個々の機能が、制作とライブの異なる時間をつなぐ道筋として一台の中に配置されている。

坂巻 匡彦が商品企画に携わり、インハウスデザインは小林恭輔が担当した。アナログ回路を手で操る操作に、200のプログラム・メモリーやシーケンサーを組み合わせる。音を探る時間と、見つけた音を使って演奏する時間。その両方を行き来できるように、回路、保存機能、操作、表示を一台へまとめた楽器である。