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Prix Ars Electronica — Digital Musics & Sound Art

部品をつなぐ行為を、音づくりへ開く。littleBits x Korg Synth Kitは、Prix Ars Electronica 2015のDigital Musics & Sound Art部門でHonorary Mentionに選出された。オーストリア・リンツで評価された、両社の共同制作である。

磁石で接続する電子モジュールを組み替え、自分のシンセサイザーを構成するキットだ。音を生む部分、音を操作する部分を手に取れる単位にすることで、仕組みを試す操作と演奏がつながる。楽器の内部構成へ触れる入口を、組み立てる体験として提示している。

2015年の公式発表は、同賞全体へ75カ国から2889件の応募があったことを伝える。その中で本作が位置付けられたDigital Musics & Sound Artは、音を用いる表現を扱う部門。完成した音楽作品だけでなく、音のつくり方へ参加できる道具が取り上げられた点に、この選出の特徴がある。電子回路を接続する操作が、そのまま創作への入口になっている。

オシレーターの音をどう制御し、どの順番で鳴らすか。モジュールを組み合わせる楽器では、演奏者が決めることの中に、楽器そのものの構成も含まれる。一つの機能を深く操作するだけでなく、機能同士のつながりを変えて試せる。Honorary Mentionは、この共同作品に与えられた選出区分であり、最上位のGolden Nicaとは別である。企画者、回路を開発する人、モジュールを設計する人の仕事を通して、創作に使える仕組みを届けた成果として位置付けられる。

受賞名義はPaul Rothman/littleBits Electronics Inc.。共同制作クレジットには坂巻 匡彦、高橋達也、Ayah Bdeir、Geof Lipmanに加え、両社のエンジニアとデザイナーが記されている。国をまたぐチームの協働を伝える、作品単位の受賞実績である。