MIPA Award — Live Performance Tool
指先で生まれたフレーズを録音し、その場で重ねる。KAOSSILATOR PROは、2010年のMIPAでLive Performance Tool部門を受賞した。世界各国の音楽・音響専門誌による投票で選ばれ、3月25日、フランクフルトのMusikmesse期間中に発表された。
製品の中心にあるタッチパッドは、横方向で音程、縦方向で音色を変化させる。4つのループ・バンクには演奏を録音し、再生やミュート、音量や長さを調整できる。マイクやライン入力の音も扱い、指で鳴らす操作から、複数の音を組み合わせる演奏へつなぐ構成だ。
音源は200プログラムを備え、シンセサイザーやドラムに加え、ピアノ、トランペット、ギターなども用意した。マイク入力を使うボコーダーも含まれる。31種類のスケールから選び、音の範囲を決めてパッドに触れれば、指の位置と音程の関係を演奏に合うように整えられる。鍵盤と同じ運指を覚えることなく、音域と音階を条件にしてフレーズを探せる仕組みだ。
ゲート・アルペジエーターでは、発音の刻み方をテンポに合わせ、スライダーで速さや長さを変えられる。音色、音程、リズムを別々に調整しながら、ループへ録音して重ねることで、演奏の素材がその場に残っていく。好きな音色を登録して素早く呼び出す機能も、演奏の流れを支える。ライブの道具としての受賞は、タッチパッドの新しさだけでなく、音を出した後の録音、再生、切り替えまでを含めた製品の使い方と結び付いている。
坂巻 匡彦はこの製品の商品企画を担当した。MIPAの2010年受賞報告は、音楽・音響の専門誌が選ぶ各部門の製品を紹介し、そのLive Performance ToolにKAOSSILATOR PROを挙げている。個人への表彰ではなく、商品企画に携わった道具が、ライブのための製品として選ばれた実績だ。