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静岡文化芸術大学「電子楽器を語ろう」

同じ電子楽器でも、つくる会社が変われば問いの立て方も変わる。2014年2月6日、静岡文化芸術大学で開かれた電子楽器を語ろうには、ヤマハの国本利文とKORGの坂巻が講師として並んだ。二つのメーカーの実務家を迎えた公開講演である。

メディアデザインウィーク2014は、学生作品の展示と専門家の講演を組み合わせた企画。この回は産業分野のセッションとして設けられ、西エントランスホールで18時30分から20時30分まで、無料・申込不要と案内された。大学の教育と、学生の展示、学外の実務家による講演を組み合わせた構成だった。

当日のプログラムでは、学生がつくったものを見せる展示と、社会の現場で働く人の講演が同じメディアデザインウィークに置かれている。制作した作品の前で考えることと、広い使い手へ届ける製品を考えることには、共通点も違いもある。音楽という表現に関わる機器は、その両方を行き来する題材になる。研究や作品制作を、産業の仕事と隣り合わせにした企画だった。

二つの楽器メーカーの人が並ぶことも、この場の特徴だ。製品名やブランドを分けて見ると離れて見える実践にも、人が音を操作する道具をつくるという共通の問題がある。音をどう生むか、どんな動きで扱えるようにするか、使う人に何を届けるか。講演題目の「語ろう」は、電子楽器を単なる仕様の集合としてではなく、異なる仕事を持つ人が対話できる対象にしている。西エントランスホールで開かれた公開企画は、その対話へ学外の参加者も招いていた。

学生の制作が並ぶ場に、社会へ製品を届ける側の話が置かれる。大学の教室、展示、公開講演をつなぐイベントの構成は、作品づくりと産業の距離を縮める。国本と坂巻が同じテーマで登壇することで、メーカーを越えて電子楽器を考える場になった。通常の授業とは別に、無料・申込不要で開かれた一夜。専門を学ぶ学生だけに閉じない、音と技術の接点だった。