taktile
鍵盤を弾く、パッドをたたく、面をなぞる。PC上の音楽制作へ、異なる手の動きを持ち込むのがtaktileだ。坂巻は商品企画を担当。25鍵と49鍵のセミ・ウェイテッド鍵盤を軸に、音符の入力からソフトウェアの操作までをまとめたUSB MIDIコントローラーである。
タッチ・パッドではキーとスケールに沿って演奏でき、トリガー・パッドにはコードを割り当てられる。アルペジエーターがリズムのパターンを加え、同じ素材を別の手つきから試すきっかけになる。旋律を弾くこと、和音を選ぶこと、反復を作ることが、それぞれの操作面に対応する。
スケールを指定するタッチ・パッドでは、鍵盤の配置を覚える以外の方法で旋律を探れる。指の位置と音程の関係を手掛かりにすれば、同じ音階でも違うフレーズが生まれる。コードを割り当てたパッドでは、和音を複数の鍵盤で押さえる動作を、一回の操作にまとめられる。どちらも演奏の判断をなくすのではなく、選択する対象を変える仕組みだ。決めた音の範囲の中で、リズムや組み合わせを試す余地が残されている。
DAWのための操作子とマウス機能は、そうして得たフレーズを曲の中へ置く工程につながる。ソフトウェアには多くの編集機能がある一方、すべてを画面上で操作すると、演奏の手がたびたび止まる。taktileは音符を入れる鍵盤の周囲へ別の入力手段も集め、制作中に手を動かす範囲を組み直している。音源そのものを内蔵するTRITON taktileとは役割が異なり、使いたいソフトウェアへ身体的な操作を与えることが、通常モデルの中心にある。
スライダーとスイッチによるDAW操作に加え、タッチ・パッドをマウスとして使う機能も用意。演奏情報を入れる場と、制作画面を操作する場の往復を一台で扱う。内蔵音源を持たない通常モデルとして、PCの音源を自分の手で演奏するための接点を複数備えている。