monotron DUO
二つの音の関係を変えると、ひとつの響きが複雑になる。monotron DUOは、2基のオシレーターとクロス・モジュレーションを手のひらサイズに収めたアナログ・シンセサイザーだ。坂巻は商品企画を担当。Mono/Polyと同様の考え方を用いたX-MODが、二つの発振器の相互関係を音づくりへ取り込む。
ノブで音程の関係や変調の量を変えながら、単純な波形から複雑な響きを探せる。リボン・コントローラーはスケール機能を備え、指の位置を音階に対応させた演奏も可能。音を連続的に変える遊び方と、旋律としてまとめる弾き方を、小さな操作面の上で行き来できる。
二基のオシレーターとX-MODを組み合わせると、音源を二つに増やす意味が、単に重ねて鳴らすことを越えていく。片方の振動がもう片方の音へ関わることで、発振器を単独で鳴らした時にはなかった質感が現れる。音程の関係と変調の量を動かし、どこで響きが変わるかを耳で探る。複雑な音を得るために多数の操作子が必要とは限らず、少数の要素のつなぎ方が音の幅を決めることを、手元で確かめられる構成だ。
スケールを使えるリボンは、その響きを旋律へまとめるための入口になる。自由な音程の移動を楽しむことも、選んだ音階の範囲で弾くこともできるため、音を変える実験とフレーズの演奏を行き来しやすい。フィルターへ外部の音を通せば、発振器とは別の材料でも回路の効果を試せる。同時期のDELAYが反復する時間を扱うのに対し、DUOは二つの発振器の関係を中心に据えている。同じ小さな形式から、異なる音づくりの入口を分けて示したモデルだ。
MS-10/MS-20に由来するフィルターは外部入力にも使用でき、別の音源の輪郭を変える用途も持つ。電池駆動と内蔵スピーカーにより、本体だけで音を出せる構成だ。二つの発振器、音を整える回路、触れて弾く面。それぞれの関係を耳で確かめながら、少数の操作子から響きの幅を探る楽器である。