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Maker Faire Tokyo オープンソースハードウェア・ステージ

楽器を演奏する前に、音の仕組みを組み立てる。Maker Faire Tokyo 2013の特別ステージで紹介されたlittleBitsとKORGの協業は、そんな入口を持つ製品へつながった。公式プログラムは2013年11月3日、日本科学未来館での開催を示している。

坂巻はPaul Rothmanや小林茂らとオープンソースハードウェアをめぐる発表とトークに参加。KORG公開の発表映像では、同年1月の米国出張でlittleBitsを訪ね、音を扱う製品の共同開発を提案した経緯を語る。発振器やフィルターを組み合わせ、光や動きの部品とも接続できる構成が紹介された。

このステージでは、キットの使い方に加えて、それを生み出した開発の背景も紹介した。米国のモジュール開発企業と日本の楽器メーカーが、どこで出会い、何を共同でつくろうとしたかという企画の出発点が残っている。音を扱う技術と、磁石でつながる道具の仕組みが出会い、それぞれ単独では持たなかった入口をつくる過程が語られた。

設計を開く考え方について、Open Source Hardware Associationの定義は、学び、改変し、配布し、製作できる情報へのアクセスを重視する。モジュールを組み替える使い方と、設計情報を公開することは同一ではないが、どちらも使い手を完成品の受け手だけに置かない発想につながる。Maker Faireという自作の実践が集まる場所で、この協業を紹介したことには意味がある。つくる側と使う側の境界を、音楽を通して考えられる発表だった。

Synth Kitの背景にあるのは、音を聴くだけでなく、部品のつながりとして触れる発想だ。使い手が組み合わせを決める余地を、楽器の内部から表へ取り出している。2013年11月3日のステージでは、ものづくりを楽しむ人々へ、その発想を紹介した。完成した製品を使うだけでなく、自分で組み替える楽しさを開く。オープンソースハードウェアを扱う場と、音の仕組みを手で確かめられる楽器が出会う発表だった。