littleBits ワークショップ @神戸アートビレッジセンター
音と文字とグラフィックが、ひとつの展覧会で交差する。神戸アートビレッジセンターのphono/graphは、その関係を探る企画だった。2015年4月12日の最終日には、littleBitsを使うサウンドワークショップが関連プログラムとして設けられた。
題材はSynth Kit。音を生み、変化させるモジュールを磁石でつなぐ仕組みは、回路の構成を手で並べ替えられるものにする。展覧会で作品を見る体験に、音の仕組みへ触れる実践が並ぶ構成だ。坂巻も、この日のlittleBitsワークショップに参加した。
展覧会の題名に並ぶ音、文字、グラフィックは、感覚への入口こそ違っても、情報をどう受け取り、どう表すかという問題を共有している。phono/graphを扱ったインタビューを背景に見ると、サウンドワークショップは展示に別の鑑賞方法を加える企画でもある。音を聞くだけでなく、音が出る条件を変えてみることで、耳の前にある仕組みを手元へ近づける。
Synth Kitの構成を紹介する文化庁の作品資料には、発振器、鍵盤、シーケンサーなどのモジュールが登場する。発音のもと、演奏の入力、時間的な並びを、それぞれ別の部品として扱えるわけだ。どの部品がどの働きを担うのかを考えることは、音をひとつの完成物として捉える見方を変える。展覧会の最終日に制作の時間を置く構成は、見終えたあとにも続く問いを、参加者の操作へ渡していた。
坂巻もワークショップに参加し、電子楽器の企画で関わってきたlittleBitsを、神戸の文化施設へ届ける活動に加わった。音を美術館やホールで聴く対象にとどめず、構成して確かめる素材として扱う。展覧会とワークショップの組み合わせには、そのような入口がある。文字を読み、グラフィックを眺めることに、音のつながりを自分で試す行為が加わる。電子楽器を介して、鑑賞と制作の距離を縮めるプログラムへの参加だった。