静岡文化芸術大学「インタラクティブシステム論」
手を動かすと、道具が応える。そのやり取りを設計の対象にするのが、インターフェイスという視点だ。坂巻は静岡文化芸術大学で、インタラクティブシステム論やインターフェイスデザインを題目とする講義を複数年度にわたり担当した。
2009・2010・2014・2015年にインタラクティブシステム論、2011・2013年にインターフェイスデザインを担当した。二つの題目を通じて、製品の姿とともに、人の働きかけと機器の応答に関わる教育に参加した。
Microsoftの設計資料が示すように、ユーザーインターフェイスは利用者体験全体の一部である。画面を整えても、目的にたどり着く手順や、操作の結果が理解しにくければ、体験の問題は残る。何を選べるかを示し、いま何が起きているかを伝え、次の行動へつなぐ。見える部品とその動作を合わせて考えることが、この領域の基本になる。
電子楽器を背景にすると、この接点は画面の外にも広がる。指で触れるパッドや回すつまみは、手の動きを音の変化へ結びつける。利用者が結果を耳で確かめ、さらに動きを変えるため、入力と出力は一度きりのやり取りで終わらない。楽器をつくる仕事には、その往復をどんな道具の形で支えるかという問いがある。複数年にわたる二つの講義題目は、こうした人と機器の関係を考える教育活動として並ぶ。
画面のボタンやメニューは、利用者がシステムに触れる具体的な接点になる。利用者体験と操作画面の関係を背景に考えると、見える形と、その先で起きる動作は切り離せない。押せるとわかること、反応を理解できること。機能を備えた道具が人に使われるためには、その間をつなぐ設計が要る。二つの講義題目は、道具の形と使う人の行為を合わせて考える領域に属している。