国際交流基金「KAKEHASHI 日米デザイナー対話セッション」
訪ねる交流から、迎えて話す交流へ。国際交流基金のKAKEHASHIプロジェクトは、2014年春の日本人デザイナーの米国派遣に続き、秋には米国の若手デザイナー5名を日本へ招いた。双方の仕事と文化に触れ、協働の可能性を探る取り組みだ。
11月4日の日米デザイナー対話セッションは、国際交流基金本部で10時30分から12時までの開催として告知された。坂巻も、日本側のデザイナーとしてこの対話に参加した。春の米国派遣だけで完結せず、帰国後の対話にも加わったことになる。
国際交流基金の告知が示す交流の単位は、製品の輸出入ではなく、デザイナー同士の接点である。自分の専門や仕事を説明し、相手が置かれた社会や制作環境を知る。完成した作品の写真からは読み取りにくい、判断の前提に近づくための仕組みだ。春の派遣と秋の招へいを組み合わせることで、訪問した側だけが経験を持ち帰る関係にもとどまらない。
同じ「デザイン」という言葉でも、建築、アプリケーション、製品では、つくる期間も関わる人も異なる。坂巻の楽器企画という専門も、その一つとして対話の場へ持ち込まれた。本人の訪米報告には、米国の参加者だけでなく、同行する日本のデザイナーから受けた刺激も記されている。交流が国籍の違いだけでなく、身近にある専門の境界を越える機会にもなったことを、その報告は伝えている。
主催者の案内が伝えるのは、単に作品を紹介し合う以上の交流だ。来日したデザイナーが日本の伝統文化やデザインに触れ、日本側のクリエイターとの協働を探る。春に訪ねた側が、秋には対話へ加わるという往復が、坂巻の参加にもある。製品の見た目だけでは伝わらない、仕事を支える文化や環境をどう理解するか。一方向の発信で終わらず、相手の現場に接する経験を重ねる仕組みが設けられていた。