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奈良女子大学・お茶の水女子大学「生活工学とデザイン」

生活を工学で捉えるとき、使う人の感覚や選択はどこに置かれるのか。2016年7月16日、奈良女子大学・お茶の水女子大学の生活工学共同専攻で、公開講座生活工学とデザインが開かれた。坂巻はその講師を務めている。

生活工学特別講義Aの第1回として、13時から15時まで開催された。坂巻は電子楽器メーカーのデザイン・企画部長として紹介された。多様な分野の実務家や研究者を迎える特別講義の一環であり、一般にも開かれた企画だった。

共同専攻の構想は、生活者の視点と工学を接続するものだった。暮らしに近い道具は、機能の有無だけでなく、誰がどこでどう使うかによって意味が変わる。ものの寸法や操作の仕方が、人の行為を支えたり妨げたりするためだ。工学とデザインを並べた講座の題目は、技術的に成立したものを生活の中へどう届けるかという問題を、一緒に考えるための入口になる。

電子楽器を例にすると、音を生む回路と、演奏する人の体験の間には多くの選択がある。鍵盤にするのか、パッドにするのか。音の変化をどのように手元の操作へ結びつけるのか。こうした問いは、工学的に実現できる機能と、生活者が扱う体験の間にある。デザイン・企画を担う仕事は、その両方に関わる。大学院の授業を公開講座として開くことによって、その専門的な問題を学外の人も共有できる。生活と技術の間にある設計を、教育の場へ取り込む活動だった。

公開講座としての開催によって、大学院の専門教育に学外からも参加できる。技術を生活者の視点から考える専攻に、商品を企画し、形にする側の経験が加わった。電子楽器は、技術で音を生むと同時に、人の手の動きや耳の感覚と結びつく道具でもある。どんな機能を実現するかと、人がそれをどう扱うか。その両方を含む実務家の仕事を、生活工学とデザインという題目のもとに招いた公開講座だった。