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KORGアナログシンセサイザーのデザインを読み解く

昔のシンセサイザーを、現在の製品として読み直す。2015年8月8日、坂巻は高山博のMIM Educationに関連する特別セッションへ招かれた。テーマはKORGアナログシンセサイザーのデザイン。MS-20やARP ODYSSEYの復刻が背景にあった。

講座の題目は「減算合成シンセシス完全マスター」。豊富な倍音を含む音をフィルターで削って音色をつくる方式だ。音を操作する知識に、製品を企画する側の視点を重ねる構成と読める。坂巻はARP ODYSSEYの復刻で商品企画を担当した。

減算合成では、元の波形が含む成分をフィルターで調整し、音色を変える。Logic Proの解説も、この方式を発振器とフィルターの関係から説明する。どのつまみがどんな変化を生むかを理解すると、プリセットを選ぶこととは違う音づくりが始まる。講座の本題である合成方式と、特別セッションで扱う製品のデザインは、音の仕組みをどう操作できるようにするかという点でつながる。

復刻には、過去の名機を知る人と、初めて触れる人の両方が向き合う。外観や音の特徴を受け継ぐ一方で、現在の製品としてどのように届けるかという仕事もある。オリジナル機を使ってきた高山の視点は、商品企画の坂巻とは異なる位置にある。その違いを対談にすることで、製品の説明はメーカーからの一方向の紹介にとどまらない。音づくりを学ぶ講座に、使い手の経験と製品化の背景を重ねる場として企画された。

高山博の減算合成を学ぶ講座に、8月8日の特別セッションとして対談を組み込んだ。通常の受講者以外にも10席を設け、講座の外へ参加を開いた。オリジナル機のユーザーでもある高山と、復刻を届ける側の坂巻。使い手の記憶と製品化の仕事を並べることで、音源方式の解説は楽器の背景へ広がる。音をどうつくるかという学びに、その道具がどう生まれ直すかという問いを重ねる特別セッションだった。