Expert Idea 500
新規事業の入口では、問いの立て方が、集まるアイデアの幅を決める。Expert Idea 500は、専門家の知見を発想と評価へつなぐサービス。電通ビジネスデザインスクエアと電通イノベーションイニシアティブが、ミーミル、VISITS Technologiesと協働し、2020年4月に提供を始めた。
専門家ネットワークとアイデア評価の仕組みideagramを組み合わせ、テーマに適した人の選定、問いの設計、案の収集・評価、事業案への具体化までをつなぐ。発想を増やす段階と、候補を選ぶ段階を、ひと続きのプロセスとして扱う構成だ。
発表時に示されたサービスの規模は、100人以上の有識者から、約1カ月で500〜1000個の案を集めるというもの。ミーミルが持つ国内6000人のネットワークから、テーマに合う専門家を選定する。2020年の提供開始時には、この規模をサービスの構想として掲げた。社内だけで発想を続ける状況に、異なる業界や職種の視点を持ち込み、アイデアの選択肢を広げる狙いがある。
集まった案は、そのまま納品して終わるわけではない。電通が分類と優先順位付けを行い、事業のコンセプトや具体的な提案へまとめていく。多様な意見があることと、意思決定に使えることの間には距離がある。似た案を整理し、どこに違いがあり、どの方向を検討するかを見えるようにする。発想の量を確保する仕組みに、選び取るための編集作業を重ねたサービスだ。
坂巻 匡彦はサービス開発に参加し、社内で発想を重ねても新規事業の方向を決められない企業の課題を語った。半年間アイデアを検討し続ける例や、領域を決めても実際に何を行うかを選べない例が、開発の背景にある。必要だったのは、ただ会議の回数を増やすことではなく、発想の範囲を広げ、判断できる候補へまとめる過程そのものを用意することだった。