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CIID Winter School 2020

新しい事業の種は、会議室で考えるだけでは見えてこない。人の暮らしに触れ、手を動かし、問いそのものを組み替える。CIID Winter School 2020は、そんなデザインの実践を東京に持ち込んだ教育プログラムだ。電通ビジネスデザインスクエアと、コペンハーゲンの教育機関CIIDが連携して日本で初開催。坂巻 匡彦は、電通在籍時に本プログラムのプロダクトマネジメントを担当した。

会場は東京・汐留の電通本社。2020年2月10〜14日と17〜21日の2週にわたり、各5日間の8コースが開かれた。人間中心のリサーチ、サービスデザイン、プロトタイピング、インタラクションデザインに加え、包摂、空間体験、組織変革、未来の探索を扱う。異なる入り口から、事業と社会の関係を考える構成になっている。

学びの軸に置かれたのは、SDGsに掲げられたジェンダー平等や気候変動、持続可能な生産と消費などの課題だ。たとえばサービスデザインのコースでは、フィールドワークからアイデア発想、試作と検証へ進む。ジャーニーマップで利用者の体験を捉え、考えた仕組みを試せる形にしてみる。抽象的な議論を、他者と確かめられる具体的な体験へ移していく。

インクルーシブデザインのクラスでは、働く環境をテーマに当事者へインタビューし、発想と試作を重ねた。提案に対するフィードバックを受けて磨き、最後はクラスを横断して成果と過程を共有する。自分たちの想像だけで完結させず、相手の反応から考え直す。その往復を短い期間に経験することが、この学びを実務へつなぐ足場になる。

背景にあるのは、デザインを経営や日々の事業活動に取り入れるという問題意識だ。現場で小さく試し、改善を続ける力は、不確実な環境で新しい価値を探るために欠かせない。人、テクノロジー、社会への関わりを結びつけるCIIDのアプローチを通じて、誰のために、どんな変化をつくるのかを問い直す。教育と事業の接点に、実践の場をつくる取り組みとなった。