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CEDEC 2016「楽器の作り方」

楽器をつくることは、人が音で遊ぶ方法をつくることでもある。2016年8月25日、坂巻はCEDEC 2016の「楽器の作り方」に登壇した。副題はアナログとデジタルの融合。高橋達也、佐野信義とともに、企画と技術の両面から電子楽器を扱うセッションだった。

公式プログラムには、kaossilator、minilogue、volca、electribe、littleBits、DSN-12が並ぶ。操作の方法も音を生む仕組みも異なる製品を、同じ「音遊び」の議題に置く構成だ。KORGの高橋と、DETUNEの佐野が共に登壇した。

セッションの公式案内に列挙された製品を並べると、楽器への入口がいくつもあることに気づく。鍵盤で音程を選ぶ、パッドをなぞる、フレーズを繰り返す、モジュールを接続する。どの方法にも、音の仕組みと人の操作をどう組み合わせるかという判断がある。ゲーム開発者が集まるCEDECにこの題目を置くことで、電子楽器の企画を、遊びや操作体験の設計と重ねて考えられる。

アナログとデジタルを分けるだけでは、演奏のしやすさや、音をつくる楽しさまでは決まらない。方式は楽器を支える技術であり、使い手が実際に触れるのは操作とその反応である。企画、回路開発、ソフトウェアに関わる登壇者が同じ場にいる構成は、その間を行き来するためのものだ。完成した機能の説明から一歩さかのぼり、なぜその音の扱い方を選ぶのかを問う。楽器開発を別の開発分野へ開くセッションとして読むことができる。

たとえばlittleBitsのSynth Kitは、電子モジュールをつないで音の構造を組み立てる。kaossilator 2は、パッドを指でなぞり、短い演奏を重ねていく。こうした製品の違いを手がかりにすると、アナログかデジタルかという方式だけでは、楽器の体験を語りきれないことがわかる。人と音の関係を開発の側から考える企画として位置づけられる。